リベラルアーツとは何か?なぜ今になって注目を集め始めたのか?その理由に迫る

2019年3月6日

最近『リベラルアーツ』という言葉を目にする機会が増えてきました

海外のビジネスパーソンからは

「日本人はもっとリベラルアーツを学ぶべきだ」とも言われています

リベラルアーツという言葉自体は最近になって生まれたものではありません

遡ってみれば遥か昔

ギリシャ・ローマ時代から存在している考え方なのです

ではなぜ最近になってリベラルアーツが再び注目を集めるようになってきたのでしょうか?

今回はそんな

『リベラルアーツ』の意味

リベラルアーツを学ぶ意義と最近になって再び注目を集めることとなった理由

リベラルアーツを学ぶ必要性

この3つについてご紹介していきます

リベラルアーツ

『リベラルアーツ』はギリシャ・ローマ時代が起源となっており

中世以降ヨーロッパの大学制度においては

「人が持つ必要がある実践的な知識・学問の基本」

と見なされた自由七科のことです

この七科は

【文法学】

→広義においては文法を独自の学術体系として捉えた呼称

【修辞学】

→基本的には演説の技術とされる

【論理学】

→論理を成り立たせる論証の構成やその体系を研究する学問

以上の3学と

【算術】

→数の概念や数の演算を扱い、その性質や計算規則、計算法などの論理的手続きを明らかにしようとする学問

【幾何学】(きかがくと読む)

→図形や空間の性質について研究する数学の分野

【天文学】

→天体や天文現象などの地球外で生起する自然現象の観測、法則の発見などを行う自然科学の一分野

宇宙論とは深く関連しているが、思想哲学を起源とする異なる学問である

【音楽】

→「音による芸術」から「音による時間の表現」まで様々なものがある

以上の4科から成り立っています

現代では、「学士課程において、人文科学・社会科学・自然科学の基礎分野を

横断的に教育する科目群・教育プログラム」に与えられた名称を示します

日本におけるリベラルアーツ

『リベラルアーツ』日本語では『教養』と訳されることが多いです

教養という訳に誤りはありませんが、

リベラルアーツが本来意味するところは

私たち日本人が考える教養とは少しイメージが異なります

日本人の考える教養というのは

『知識量が多いこと=教養』という認識で使う場合が多いです

しかし、リベラルアーツ本来の意味するところに近づけようとすると

『Liberal Arts=自由になるための手段』という解釈がもっとも自然な表現になります

リベラルアーツを学ぶ=知識量を増やすということではないのです

リベラルアーツを学ぶ意義

リベラルアーツを学ぶことの意義は、

知識を増やすということではなく

『問いを見つける力』を養うためだと考えることができます

リベラルアーツが再び注目を集めることになったのも

『問いを見つける力を養う』ことが重要視される時代に移り変わったためです

モノ消費からコト消費への変化が私たちに必要な能力を変えた

近年、技術の発達は著しく

AIの登場・進化と共に人間の仕事がなくなっていく

という声も上がり始めました

今まで手作業で行なっていたものが次々にAIによって自動化され

10年後には50%近くもの仕事がなくなるとまで言われている今の時代です

今までの仕事には単純労働(同じ作業を繰り返すような労働)が多く存在していました

その単純労働はAIにとって代わられ

これまで単純労働で仕事を得ていた人たちの仕事が無くなる

これからなくなると考えられる仕事にはどんなものがあるか?

そうなってしまった時に私たちが労働で生計を立てていこうとするのであれば

これまでの既存概念から解き放たれ

今より自由な思考を持つ必要があります

これからはイノベーションを起こすような新しい発想を生み出せる能力

潜在ニーズを見つけるような力がより一層求められることになります

しかし、日々の生活のなかで起こっていることにたいして疑問を持つこともなく

ただただ世の中に流されて生きていたのでは

『問いを立てる能力』は身につきません

そして、問いが何もなければ本来解決すべきであるはずの課題

潜在ニーズ発見することはできないのです

これからの世界を生き抜いていくために必要な能力は

『リベラルアーツを学んだ先にある』ということを理解し

リベラルアーツを学ぶ姿勢を持つことが非常に大切になります

『問いを立てる力』を考える時によく例えで出てくるのが

iPhoneが最初に生まれたのはどこか?

という問いです

一体どこで生まれたと思いますか?

Apple社? ジョブズの家?

この答えは『ジョブズの頭の中』だそうです

僕もはじめてこの話を聞いた時は「なるほど〜」と思わず声を漏らしていました

今私たちが当たり前のように使っているiPhoneは

一番はじめにはジョブズの頭の中で生まれたものなのです

そもそもiPhoneという発想が出てこなければ作りようが無いわけですから

イノベーションや課題の解決策はいつも最初に頭の中で生まれます

想像を現実のものにすることがまた難しいところではあるのですが、

最初に生まれるのは『人間の頭の中』なのです

リベラルアーツを学ぶ必要性

これまでの日本とこれからの日本を考えてみてください

これまでの日本は「言われたことをやる」ということが評価され正解である

という社会でした

日本は、戦後まもなく『高度経済成長期』に突入し

仕事をすればするだけ成果がでる

この時代は言われたことを言われたままにやることが

最も効率よく大切なこととされてきたのです

会社は親会社や元請けのいうことを素直に聞き

社員も上司のいうことを素直に聞いていればよかった

少し大げさな言い方をすれば、

『思考停止状態で働いていても成果はでた』そんな状態でした

しかし時代は変わり、日本は『バブル崩壊』

長きに渡る不景気の時代に突入しました

それとともに、今ではグローバルな競争が必要となり

年功序列や終身雇用制度はどんどん崩壊の一歩をたどっています

これまでの社会のモデルが崩壊していく中で

私たちもそのような変化の時代に対応をしていかなければなりません

それが『自分の頭で考えること』

そして『自らの手で未来を切り開いていくこと』です

その時に非常に強力な力になってくれるのが『リベラルアーツ』なのです

リベラルアーツで価値を想像し創造する

リベラルアーツを学ぶということは

『常識を疑う力を身に着ける』

ということになります

というのも、リベラルアーツを学ぶときに哲学を学ぶということをします

哲学というのは、『なぜ人間は存在するのか?』『愛とはなにか?』

『幸せとはなにか?』といったような

当たり前とも思われるようなことを『疑い』『考え続ける』必要がある学問です

常に一つ一つの事象に対して『疑い・問い』が持てること

これは非常に強力な武器になります

これからの時代は『思考の幅の広さ』『思考の深さ』が非常に大切になります

『思考・発想の豊かさ』というのはこの2つが優れている人のことをさします

常識を疑いイノベーションを起こすこと

いくら専門分野を突き詰めても、そこに『リベラルアーツ』

『思考・発想の豊かさ』がなければ

システムの歯車になりAIが発達して先に淘汰されてしまいます

そして、歯車のレベルにとどまってしまう人は

リーダーシップを発揮できる人材にはなりません

リーダーシップを取れる人は

現状のシステムに疑いを持ち改革・イノベーションを起こせる人です

幅広い教養と視野を持って既存のシステムを壊し続け

社会に新しい風をふかせる

この能力がある人材はたとえAIが台頭する世の中になったとしても必要とされます

これからの時代において必要な人材となることを望むのであれば

リベラルアーツを学び身に着ける必要があるのです

より良い世界を作るにはどうするべきかを考える

日本の大学では、

『社会や企業の役に立つ人材』を育成することに重点をおいた教育がなされています

その方が大学の評価もあげやすいためです

しかしその場合、

現状の社会や企業のニーズに応えることを目標としてしまっているため

そこから革新的なイノベーションは起こりません

ところが、世界の大学のランキングで上位に入るような大学は

『21世紀をよりよくするための教育』というのを大切にしています

アメリカの有名な大学から数々の起業家が生まれ

日本の大学から生まれる起業家が少ないことも『大学の体制』に理由があります

学生の時から『キャリアに対する問い』『社会に対する問い』

『技術革新が世の中に与える影響は何か?』

そのような問いを考え続ける姿勢

これはリベラルアーツを学ぶことで養うことができるのです

リベラルアーツを学ぶ第一歩として

『より良い世界を作るために自分ができることは何か?』

『自分が生涯かけてやりたいことは何か?』

この問いを立てて考えてみることで

一歩踏み出すことができるはずです

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